新型コロナの影響

最近、イギリスの「Le QuecumBar」が2021年に閉店したことを知りました。コロナの影響をもろに受けたようです。映画の撮影では多くのライブバーやライブハウスのお世話になりましたが、規制が続く中2店舗が閉店したことはとても残念です。
https://www.quecumbar.co.uk/
Le QuecumBarは2003年にイギリス・ロンドンにジプシージャズを楽しめるライブバーとしてオープンし、ジプシージャズのCDレーベルも運営するなど、ジプシージャズ界隈では有名な店でした。14年ほど前に行ったのですが、店に入ると異世界に迷い込んだような雰囲気のある内装で、ジプシージャズへの愛が感じられるプレーヤーの生演奏を楽しめるいいお店でした。ジプシージャズギタリストは一音出しただけで、知っている人はにやにやしてしまう特徴的な音使いをするので、プレーヤーが弾き始めた瞬間「こんな店があるんだ」と嬉しく思いました。イギリス人にとってもジプシージャズは異国の音楽なのですが、日本人と同様に時代や国境を越えてジャズやパリの黄金期の匂いや魅惑的なジプシー色などの印象を放つ音楽のようです。ジプシージャズはアメリカでもかなりの人気ですが、ジプシージャズの元ネタを生んだ国でもあり、人気の背景は国や地域により異なります。そうした違う背景から生まれたジプシージャズが国や地域によって違うのも面白いところです。同じルーツから遠い親戚がいくつもできた感じでしょうか。
同時期にパリへ行き、Marc Fossetのライブをみました。左利きのジャズギタリストで、ライブの紹介記事ではジャンゴに影響を受けたギタリストだと強調していました。ジャンゴに影響を受けたとアピールするところがフランスらしいなと思いましたが、いわゆるジプシージャズのギタリストとは毛色が違います。ジャンゴのエレクトリックギターに影響を受けたタイプなのか、ジョー・パスからの影響が大きいと感じました。グラッペリとも共演した実力派でいいCDを残していますが、2010年にパーキンソン病で引退し、2020年に亡くなられたようです。リンクの曲では個性的な歌も披露しています。
Marc Fosset
C’est si facile de vous aimer (Easy to Love)


チャーリー・パーカーの演奏

Charlie Parker “Easy to Love”

1949年にフランスで開催されたジャズフェスに、チャーリー・パーカーと晩年のジャンゴが出演していたようですね。